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レイデル コミュニケーション研究所

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ソニーアルムナイ 2024年12月 アドベントカレンダー寄稿

企業の組織化を考える

レイデルコミュニケーション研究所の北村です。初めてお目に掛かる方は、はじめまして!いつもFacebookのビジネス講座をご覧いただいている方は、いつもありがとうございます!今回は、ソニー・アルムナイのアドベントカレンダー企画への寄稿として、世界でも有数の企業で働かれていたみなさんと共に、企業組織について考えてみたいと思います。少しばかりお付き合いいただけると幸いです。

 

組織とは統治された集団

 

さて、企業を「人」の視点で見た時、個人の集まりと言えます。単なる個人の集まりは「集団」と呼ばれますが、企業の場合はそこに属する各個人が「統治」されることで「組織」となります。この統治とは、企業が永続的に発展するため、そのパフォーマンスの仕組みを構築し、ナレッジとして共有、蓄積できるよう、各個人をマネジメントすることを意味します。これは、ガバナンスと呼ばれるもので、「組織化」と言い換えるこもできます。

この組織化を営業部門の例で見てみると、契約を一定率以上取れる行動とスキルなどのノウハウを仕組み化し、それをナレッジ化して組織内で共有、蓄積することと言えます。キャリア採用が多い企業では、他社のさまざまなノウハウを蓄積して共有できるメリットもあるでしょう。

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ハイパフォーマーのジレンマ

 

しかしながら、ほとんどの企業では、この組織化ができておらず、個人のパフォーマンスに頼っているのが現状です。営業部門でいうと、契約を取れるノウハウが組織内で構築できておらず、売れる営業パーソン個人の力に頼っている状態と言えます。営業のハイパフォーマー側としては、自分の組織内での優位性を保つため、わざわざノウハウを他者と共有することはほとんどありません。このため、個人のパフォーマンスに頼る組織では、ノウハウを個人が所有したまま、組織内で共有されることがないのです。

また、このハイパフォーマーの影響は人事マネジメントにも及びます。ハイパフォーマーは、自分の挙績に対する報酬への要求も高い傾向にあり、常に転職やリクルート(引き抜き)の機会に晒されているため、他社へ移られないよう特別な待遇を迫られることもあるでしょう。このため、対応に苦慮する企業も少なくないようです。また、ハイパフォーマーとローパフォーマーが混在するチームは軋轢が生じやすいことも既知の事実です。このように、さまざまな人事マネジメント上のリスクとなります。ここで示しただけでも、ごく少数のハイパフォーマーの影響を受ける企業は、組織として脆い構造であることがお分かりいただけると思います。

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スペシャリストとジェネラリスト

 

ここで、諸外国の例を見てみると、アメリカを代表とする欧米企業では、従業員はジョブ型で雇用されます。そして、特定の業務のパフォーマンスによって報酬や待遇が決まるのが通常です。このことから、従業員はスペシャリストとしてキャリアを積んでハイパフォーマーとなることが求められます。ところが日本では、メンバーシップ型雇用が主流で、配置転換や出向、転籍にも対応させやすいよう、優等生的なジェネラリスト集団となっています。たとえキャリア採用でジョブ型採用されても、特に雇用契約で定めがない限り、入社後の状況によってはメンバーシップ雇用の扱いになります。このように、日本のメンバーシップ型の雇用形態では、スペシャリスト的なハイパフォーマーは馴染まないのだと思われます。

これらのことから、組織としては個人に頼る構造から脱却することが求められます。それが、組織化なのです。

組織化はゴーイングコンサーンの必須事項

 

組織化の構築に従事するのは、現場の部門でもいいし、経営企画や営業企画などの部門が行ってもいいでしょう。これは営業部門に限らず、経理や総務、人事などの部門にも活用できます。とにかく、企業活動を永続的に発展し続けられるよう、それぞれの部門が業務ノウハウをナレッジ化して共有し、日々、蓄積、ブラッシュアップして発展していける仕組みが求められます。そうやってノウハウが組織内に蓄えられる仕組みが構築できれば、ハイパフォーマーが退職などで離脱してもその影響は限定的となります。

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さらに、組織化された企業には、他のメリットもあります。それぞれの職場でノウハウがナレッジ化されることで、誰もが同じクオリティで業務を行えるようになるので、新卒や中途採用などの新人が即戦力化するのに有利となります。さらに、退職や産休による従業員の職場離脱にも、一時的な配置転換によって対応しやすいという利点もあります。

ただし、個人の偏ったハイパフォーマンス化の回避には例外もあります。それは、経営陣や上席のマネジャー。彼らはその影響力で組織を動かす立場にあるため、必然的に個人としてのハイパフォーマンスが求められるからです。さらに、彼らの活動は直接経営に関わる部分でもありますので、さすがにそのノウハウをナレッジ化することはできませんし、するべきではないでしょう。

さて、ここまで見てきて次に考えたいのが、どのように組織化すればいいのか、ですよね。企業によって業務の進め方はさまざまですので、ここでは具体策には触れません。下記にそのヒントとなる項目を挙げておきますので、ぜひ、参考にしてみてください。

組織化のヒントは5W1H

 

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ノウハウの仕組み化は、「手順」と「技術」に分けて考えます。これは5W1Hで表せます。

まず、手順。5Wのうちの4W(When、Where、Who、What)で考えます。「いつ、どこで、誰に(または誰が)、何を」行うのかなどの手順を明確にします。

次に、技術。1H(How)で考えます。「どのように行うのか」は、ナレッジの軸となるものなので、ここはしっかり考えたいですね。

そして、最後に、理論。5Wのうちの1W(Why)で考えます。手順と技術の「裏付け」となるもので、「なぜそれを行うのか、なぜそれが必要なのか」を説明するものです。この部分は手段の目的化を防ぐためと、応用力を上げるためにも有効ですので、手を抜かないで考えましょう。

以上、これらをナレッジ(知識の集合)として蓄積し、時間と共にブラッシュアップし、社内で共有できるデータベースを構築できればいいでしょう。

 

もう1つ、参考までに。この組織化、実は昭和時代からある企業によって実践されています。製造現場をチーム化し、チームによる仕組みづくりやナレッジの蓄積と共有によって生産効率を上げるトヨタの「カイゼン」がそれです。今ではカイゼンに対する評価はさまざまですが、充分、参考にできるはずです。また現在では、営業支援ソフトなどのITを活用してDXを導入する企業が増えています。今後は本当の意味での企業の組織化が共通認識として進むことを期待したい。

 

以上、今回の投稿がソニー・アルムナイのみなさんのお役に立てれば幸いです!それでは、よいお年を!(あ、その前に、メリークリスマス!笑)

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